裁量労働制とは?メリット・デメリットや今後拡大される職種についてまとめてみた!フレックス制やみなし労働時間制との違い知ってる??

「裁量労働制のことで国会で揉めてたけど、そもそも裁量労働制って何?」

「ウチの会社も裁量労働制のはずだけど、始業時間決まってるぞ・・これって変だよね?」

などなど。

裁量労働制という言葉はよく聞くけど、どういうものかよく分からない!って人は多いと思います。

そんなアナタに裁量労働制に関する下記のことを紹介していきますね!

裁量労働制とは

裁量労働制を今後適用させる職種

裁量労働制のメリット・デメリット

国会で何が問題になっていたのか?

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裁量労働制とは

裁量労働制とは、最初から労働時間を一定時間でみなす制度のこと。

裁量労働制を敷いている理由は、労働時間の算定が難しい業務や、業務遂行を労働者本人の裁量に任せる業務などに適用させるためになります。

裁量労働制導入の背景

裁量労働制知りたい人
何で裁量労働制が必要なの?

裁量労働制が必要になった理由に関して、まず背景から説明していきますね!

まず労働基準法からの説明です。労働基準法での所定労働時間は以下となります。

使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない

参照:労働基準法第32条

この労働基準法を元になぜ裁量労働制が導入されるようになったか?を考えてみますね。

理由としては、労働者の就業意識の変化や、IT環境の整備などの変化が進むんだという時代背景があります。

単純に労働時間の長さに比例して仕事の成果が上がるという業務も出てきたことが要因。

労働者側からも、自分の判断で仕事の時間配分や進め方を決めて、創造的な業務に取り組みたいという意識も高まってきたことも大きいです。

会社側→「勤務時間決めるよりも自由にした方が働きやすいでしょ?」
労働者→「出退勤の時間面倒だから好きにやらせてくれ!」

といった感じ。

そうした使用者側、労働者側双方の意識に沿った働き方として1987年に労働基準法改正時に「裁量労働制」が施行された訳です。

労働基準法32条の例外として裁量労働制が定められています。

裁量労働制は、仕事の成果や報酬に対応させる制度で、単純に労働時間に対する報酬ではないという規定。

過去⇒労働時間に応じ給与決定
導入後⇒時間ではなく仕事の成果で給与決定
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裁量労働制はみなし労働時間制の1種

裁量労働制知りたい人
 裁量労働制とみなし労働時間制ってどう違うの?

というのは気になりますよね。

そもそも、裁量労働制は、みなし労働時間制という大枠の働き方のうちの1つなんです。

みなし労働時間制は法律でいうと、労働基準法第38条に該当していますね。

で、労働基準法38条ではみなし労働時間制の業務を以下の3つの業務で定めているんです。

この3つの「みなし労働時間制」に関しては後でも詳細を説明しますね。

まず「みなし労働時間制」の説明をします。

これは使用者指揮監督が出来ず、労働時間の算定が出来ない場合に使用者が労働時間の算定を免除されるものです。

ややこしいですね(笑)

つまり、上司が近くにおらず仕事の指示が出来ない環境で働く労働者に対しては、

「何時間仕事しているかで給与計算するんじゃなくて、残業代込みで給与は○万円ね!」と一律に決めれるというものです。

通常、みなし労働時間制以外の労働者の場合は、8時間勤務で1時間残業すれば残業代が支給されますよね。

でも、みなし労働時間制の場合は「何時に出勤して何時に退勤しても、任せられる業務さえしっかり行えばOK」という評価になるんです。

裁量労働制とフレックス制度の違い

「裁量労働制とフレックス制度の違いが分からない!」

こういう人も多いですよね。確かにかなりややこしいです(笑)

まずフレックス制度とは、変形労働時間制の1種で出勤・退勤の時間を自由に決めれて、労働時間の長短も自分で決めれる制度です。

方法としては、まず最初に一定期間の総労働時間だけ定めます。このことを清算期間といいます。

この清算期間の範囲内で労働者各自で出勤・退勤時間を自由に決めることが出来る制度になっています。

ちなみに現在の清算期間は1ヶ月間なのですが、平成31年4月1日から1ヶ月→3ヶ月に拡大されることが厚生労働省によって発表されています
参照:労働基準法第 32 条の3

フレックス制度の清算期間に関してはこちらのサイトの「フレックスタイム制の概要」という見出しから分かりやすく紹介されています。

1ヶ月の総労働時間以外に決めることと以外には、「労働する時間」「労働しても、しなくても良い時間」を決めます

フレックス制度のフレキシブルタイムとコアタイムの基本モデル。

参照:東京労働局

コアタイム⇒労働しないといけない時間
フレキシブルタイム⇒労働しても、しなくても良い時間

それ以外には、清算期間を1ヶ月以内に設定し法定労働時間と、実労働時間の過不足の検証する必要もあります。

過不足の時間をもとに賃金が決定される仕組みですね。

対して、裁量労働制は適用できる職種が限定的で、労働時間は「みなし労働時間」として事前に管理されています。

ですので賃金に関しても法定労働時間の範囲内(1日8時間、週40時間以内)であれば一律となっています。

その範囲内であれば残業手当の支給もないですね。

フレックス制度と裁量労働制の違いをまとめると、1日のうちに出勤して仕事をしないといけない時間帯(コアタイム)の時間が存在する。

この点が大きく異なりますね。

裁量労働制であれば何時に出勤して、何時に会社に居ても居なくても問題ありません。

裁量労働制の残業手当に支給の有無

企業側「裁量労働制の場合は残業手当は一切ないよ?」

なんて企業側に言われることがあれば断固抗議しましょう!

裁量労働制でも法定労働時間を超えた場合、残業代は支給されます。

残業代の割増率
・1日8時間超えの時間外労働賃金割増率25%
・1ヶ月60時間超えの時間外労働⇒賃金割増率25%
・22時以降の深夜労働⇒賃金割増率25%
法定休日の労働⇒賃金割増率35%
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裁量労働制の出退勤時間に制限はなく遅刻の概念もなし!

裁量労働制では出勤時間や遅刻という概念自体もないので、当然適用もされません。

裁量労働制の労働者「明日は昼の12時から出勤しまーす!明後日は朝9時でー♪」

というのも当然OK!というか出勤時間の概念がないので、会社に報告する義務ないし強制もされません。

裁量労働制では出勤時間も退勤時間も一切の制限がなくなります。

ただ、1日の業務は全て労働者に委ねられるので、法定労働時間内であれば残業代も発生しなくなります。

企業「残業するのもしないのも、何時に出勤して退勤するのも全て労働者が決めて下さい。給料は一律で○万円ですよ。何時間働いてもこの金額です。」

となっているんです。

そもそも裁量労働制とは、労働者に出勤時間や業務量をすべて委ねる制度。

ですので、遅刻早退などの一般労働者に適用されるような労働時間の管理自体が出来ないことになってます。

なので裁量労働制なのに上司に「遅刻だぞ!」と言われれば裁量労働制の法の趣旨に反すると解釈して問題ないですよ!

誤った法律の解釈をして、従業員を酷使するブラック企業も多いので注意が必要ですね。。

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みなし労働時間制の3種類に裁量労働制は存在する

この3つの業務に関しては、会社は「労働時間の把握はしなくてもよい」ということが法律で認められてるってことですね。

これを、労働時間の算定義務が免除するとも呼ばれています。

そもそも何故「みなし労働時間制」と呼ぶのかというと、仕事を労働者本人の裁量に任せて働いてもらう。

企業は事前に設定している労働時間を働いたと「みなし」ていることから「みなし労働時間制」と呼ぶわけです。

裁量労働制を採用するには、労働基準法第38条の3及び第38条の4の要件を満たす必要があります。

裁量労働制に該当する職種は大きく分けて、「専門業務型」と「企画業務型」の2つに分けられるのでそれぞれ説明していきますね!

①専門業務型の裁量労働制

専門型裁量労働制を導入できる業務は厚生労働大臣指定職種も含めた以下の職種

「じゃあ以下の職種の場合は勝手に裁量労働制を導入していいんだ♪」

と思うかもですが勝手に導入するのはNG!

何故なら、専門業務型裁量労働制を導入するには労使(労働者と使用者)で「労使協定」という協定を書面で締結する必要があるんです。

■専門業務型の19業務

①新商品や技術の開発研究業務
②情報処理システムの分析・設計
③放送・出版業界での制作・取材・編集
④衣装・製品・広告などのデザイナー
⑤放送・映像業界のディレクターやプロデューサー
⑥コピーライター
⑦システムコンサルタント
⑧インテリアコーディネーター
⑨ゲーム・ソフトウェアの開発
⑩証券アナリスト
⑪金融工学の知識を使った金融商品の開発
⑫大学教授
⑬公認会計士
⑭弁護士
⑮建築士
⑯不動産鑑定士
⑰弁理士
⑱税理士
⑲中小企業診断士

参照:厚生労働省

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②企画業務型の裁量労働制

企画型裁量労働制は2000年4月に施行された制度になります。

事業運営上で、重要な決定がされる本社等で、立案調査分析企画などを行う労働者が対象となります。

会社運営の中枢を担当する業務なので、労働時間や業務遂行のための方法も全て労働者に委ね指示しない業務とされているんですね。

■企画業務型を導入できる事業場

本社本店の事業場(事務所)

②事業運営に及ぼす影響が大きい決定が行われる事業場

③本社・本店の指示を受けずに独自に事業の運営を出来る支社や支店

参照:厚生労働省

■企画業務型の対象となる業務例

経営企画の部署で経営環境などの調査や分析

人事労務の部署で人事制度の課題などの調査や分析

財務経理の部署で財務状態の調査や分析

広報の部署で、効果的な広報手法調査や分析

以上にように経営の中枢に関する調査・分析・計画の策定を行いと「企画業務型」の対象とはならないとされています。

ですので、上記のような部署に所属していても庶務・事務・補助などのサポート業務は「企画業務型の裁量労働制」の対象にはなりませんね。

参照:労働基準法第38条の4第3項の規定〈厚生労働省〉

■企画業務型裁量労働制の導入には労使委員会での4/5以上の決議が必要

「企画業務型を導入するにはどうするの?」

企画業務型の導入には労使委員会が設置されていることが前提となります。

労使委員会はどこに設置されても良いわけではなく、上記の「企画業務型を導入できる事業場」で設置されてないといけません。

労使委員会では主に、労働時間賃金労働条件を審議調査する場であり、労働者から事業者へ意見を伝えるといったことが行われます。

労使委員会を構成する人数の規定はありませんが、労働者側・使用者側からそれぞれ複数人選出するのが一般的。

ルールとしては、労働者側が委員会の半数以上を占めてないといけません。

使用者から1名、労働者から1名という1:1の比率での構成はNG。

NGの理由は労働者が使用者の言いなりになってしまうのを防ぐためです。

以上のルールに則って組織された労使委員会において、4/5以上の賛成があれば企画業務型の裁量労働制が導入出来るということになります。

■専門業務型と企画業務型裁量労働制の違いとは?

「専門業務型と企画業務型の裁量労働制の導入方法ってどう違うの?」

と、混同してしまい訳が分からなくなりますよね(笑)

導入方法
専門業務型労使協定の締結が必要

企画業務型労使委員会での4/5以上の決議が必要

対象者の定め方
・専門業務型⇒対象業務だけ定めればOK

・企画業務型⇒対象業務&対象者の両方を定める。さらに1人1人を対象者どうか判断

派遣労働者への適用可否
・専門業務型⇒適用可能

・企画業務型⇒適用不可

裁量労働制は既に営業職で適用されるんじゃないの?

裁量労働制のことに関して調べてみると「そもそも営業職って既に裁量労働制って適用されてないっけ?」と疑問に。

先程書いた、みなし労働時間制の3種類のうちの1つに「事業場外労働に関するみなし労働時間制」があるということは書きましたね。

この「事業場外労働に関するみなし労働時間制」が営業に当てはまるんじゃないの?って思ったわけです。

事業場外労働に関するみなし労働時間制とは、使用者の指揮監督が及ばない状況において、労働時間の算定義務が免除されるということです。

要はオフィスの外に出て業務をしている労働者が「いつ仕事をして、いつ休憩しているか分からない」ので一律で労働時間を決定するという方法ですね。

ちなみに「事業場外労働に関するみなし労働時間制」に該当できない業務は労働基準法38条の2以下と定められています。

事業場外労働に関するみなし労働時間制の除外例
①複数人のグループで事業外労働に従事し、グループメンバーの中に労働時間の管理する人がいる場合
無線ポケットベルで使用者からの指示を随時受ける場合
③事業場で、訪問先・帰社時間・業務の具体的指示を受けた、その後に事情場外労働に従事。その後に事情場に戻る場合

営業職が「事業場外労働に関するみなし労働時間制」に当てはまるかどうかのポイントして②と③の項目。

営業職で外勤している人の多くはほとんどの人が携帯電話を貸与されていますよね。

そのことが②の項目に該当し、「事業場外労働に関するみなし労働時間制」認めれないという判例があります。

携帯電話を持たされていることから、「事業場外労働に関するみなし労働時間制」は適用されないという判例もたくさんあるんです。

もう1点、当日の営業活動の予定表を会社に提出したり、始業終業時間を営業社員と他社員を同じように定めたりすることで③の項目に該当するとみなされます。

なので、「事業場外労働に関するみなし労働時間制」は同様に認められないという判例もあるんですね。

判例①コミネコミュケーションズ事件 東京地裁 平17.9.30判決 第3668号―05.12.23)

判例②:サンマーク残業手当等請求事件(大阪地裁平成14.3.29)
サンマーク残業手当請求事件

判例③:光和商事解雇無効確認等請求事件(大阪地裁平成14.7.19)
光和商事解雇無効請求事件
参照:東京労働局

上記のような判例を見ても分かるように「事業場外労働に関するみなし労働時間制」を通常の営業職では相当難易度が高いってことになるんですね。

ということもあり、「無理があるんじゃないの?」ってレベルですが、営業職への裁量労働制の拡大を「企画業務型」の適用範囲拡大しようとすることに繋がるわけです。

裁量労働制の営業職への適用は企画業務型の範囲拡大を予定

あとで詳しく書いていますが、国会で問題になっていた裁量労働制の適用範囲の拡大は、「企画業務型」の範囲拡大を目指しているわけです。

しつこいですがもう1回書いときます(笑)

「専門業務型」に関しては既に19種の職種が明確に決まっていますし、「事業場外労働に関するみなし労働時間制」に関しては上記記載の通り多くの判例があります。

明確になっていないのは唯一「企画業務型」。

ここの適用範囲を広げて営業職を労働裁量に当てはめようとしているんでしょうね。

営業職が、「企画業務型」というのはかなり無理筋のような気もしますが、まぁここしか当てはめれるものがないということでしょう。

「企画業務型」に適用させる範囲も法人営業職に限定し、個人への営業職は含まない予定みたいです。

さすがにお役人も「企画業務型」を個人営業まで範囲拡大するのは無理があると判断したのかな?と邪推しちゃいます(笑)

ただでさえ営業のノルマ達成のプレッシャーなどで離職率が高い業種もあるので、法人営業職だけとはいえ裁量労働制を導入すると更に長時間労働の助長を懸念する声もあるんです…。

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裁量労働制のメリット

裁量労働制知りたい人
裁量労働制ってメリットあるの?

国会や新聞・メディアでも「裁量労働制=悪」と語られがちですが、メリット・デメリットの両面から考えていきますね!

企業側(使用者)のメリット

①残業時間など労務管理の業務が軽減される

近年の、長時間労働深夜残業などの事件もあり、どの企業でも残業時間の削減や、時間外労働の短縮の流れになっています。

21時になればオフィス内一斉消灯

パソコンの電源がオフ。強制シャットダウン

など残業時間削減の動きが活発になっています。

ですが一方、企業ごとの繁忙時期になると致し方ない時間外労働は少なからず発生しますよね。

またクリエイティブな業務などに従事する人に労働時間と業務成果が必ずしも比例しない業務あるのは事実。

いくら世間が過重労働削減の流れとはいえ、定時に帰宅するのが良いことは言えません。

ですのでバランスをとって、裁量労働制を導入する企業もあるんです。

裁量労働制ではみなし労働時間として管理できますから、個人の業務の繁忙具合でフレキシブルに労働時間の調整が可能。

業務や納期が迫り多忙がピークの状態なのに、「残業できないから!」と無理やり帰らせるのは企業にとっても労働者にとっても良いことではないケースもあります。

企業としても残業管理から開放されるので労務管理も楽になる点はメリットと言えますね。

②従業員の生産性向上&モチベーションアップ

裁量労働制では、始業終業残業時間などから開放され仕事の成果のみで企業からの評価が給与が変わってきます。

ですので「時間にとらわれずに仕事に集中したい!」という労働者にとっては、生産性アップやモチベーションアップに繋がりますね。

労働者個人の生産性が上がれば当然企業の売上の業績にも好影響に繋がります。

結果企業価値向上も期待できますからその点もメリットと言えます。

③優秀な人材を採用しやすくなる

「あの会社は裁量労働制で自由に仕事が出来るから働きやすいよ!」

という良い噂が労働者の間で広まれば、企業のブランディングとなり採用活動も今まで以上に優位に進みます。

特にクリエイティブな仕事をしている人は、時間に縛られることが苦手で夜型の人も少なくありません。

そういった人材に対して裁量労働制を適用すれば、求職者にとって魅力的な職場になるんです。

労働者側のメリット

労働政策研究による裁量労働制等の労働時間制度に関する調査結果

参照:裁量労働制等の労働時間制度に関する調査結果〈労働政策研究・研修機構〉

独立行政法人労働政策研究・研修機構が行ったアンケートによると、裁量労働制を導入したことによる効果として以下の結果となっています。

裁量労働制導入の効果TOP3

・効率よく仕事を進めるように従業員の意識が変わった⇒57.6%
・従業員のモチベーションが向上した⇒27.8%
・労働時間の短縮になった⇒19.5%

なので裁量労働制導入によるメリットを感じる労働者もいるということがアンケート結果では分かります。

具体的に説明していきますね!

①仕事の業務量や時間のコントロールが出来る

裁量労働制導入による労働者のメリットとして、時間のコントロールの効果は大きいです。

実際上記のアンケートでも「効率よく仕事を進めるように従業員の意識が変わった」という回答が1番多いこともそのことを証明してますね。

そもそも裁量労働制に適用されるような業種はクリエイティブもしくは専門的な業務のみ。

庶務やルーチンワーク中心の職種には裁量労働制は適用されません。

繁忙時期閑散期、納期前のタイミングなど、仕事の繁忙に合わせて業務量や時間のコントロールが個人の裁量で自由に出来るようになるんです。

結果、自分のペースで仕事が出来るので労働者自身の能力も最大限発揮しやすい仕組みといえますね。

②ワークライフバランスを保ちやすい

裁量労働制を活用すれば、私生活と仕事の両立がしやすくなりワークライフバランスを保ちやすいこともメリットといえます。

特に、育児や介護に参加しないといけない労働者にとってみれば、自分のライフスタイルに合わせた働き方が出来ますからね。

上記のアンケート結果の第3位に「労働時間の短縮になった」という結果がありますね。

仮に、子育て、家事、育児などのイレギュラーな自体で労働時間を確保出来なくても、巻き返しも比較的容易です。

労働時間や出勤日も全て労働者の裁量次第なので、隙間時間での少ない時間でも成果を上げやすい仕組みといえます。

始業・終業の時間が定められている一般の労働者と比較しても仕事とプライベートのメリハリがつけれる点はメリット。

当然仕事に対するモチベーションアップに繋がるわけです。

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裁量労働制のデメリット

では次に報道等でも懸念されている、裁量労働制導入によるデメリットを紹介していきます!

企業側(使用者)のデメリット

①意図しない裁量労働制の不正による摘発

裁量労働制は解釈が難しく、意図しない形で労働基準監督署などからの摘発を受けるケースがあります。

労働基準監督署から摘発され社名がメディアに出てしまうと企業のブランド価値が大幅に毀損されてしまいますね。

※裁量労働制を悪用しているケースもあり

野村不動産野村不動産に是正勧告 裁量労働制を全社的に不正適用〈朝日新聞〉

メドトロニック相次ぐ「裁量労働制」の不正 外資大手医療機器メーカーにも是正勧告〈BuzzFeed News〉

テクモテクモ社員、残業代求め提訴=「裁量労働制は違法」-東京地裁

サイバードサイバードの裁量労働制は「無効」 労基署が判断〈ITmedia〉

裁量労働制の解釈は難しい点もあるので、社会保険労務士など任せずに多角的なチェックが必要となります。

下記の動画でもシステムエンジニアの男性が、裁量労働制による死亡したと紹介されているんです。

②裁量労働制を導入するまでの時間・費用のコスト

裁量労働制導入には費用・時間の多大なコストが必要となります。

先に記載したとおり裁量労働制の運用には労働基準監督署も目を光らせており、法解釈を誤ると上記のように勧告を受けることも。

そのために、人事労務部による労働基準監督署への細かな確認。さらには社会保険労務士などの専門家への相談なども随時必要になってきます。

各種関係機関に相談し、労働基準法に沿って裁量労働制の運用ができそうだとなった後も大変。

就業規則の変更をするために、根拠や条件面の整備も必要。

更に「企画業務型の裁量労働制」を導入する場合は、労使委員会の設置も必要となり、設置のための運用規定まで定めることになるんです。

③従業員の労務管理が一切出来なくなる

裁量労働制を導入すると出退勤は全て労働者に委ねる形になります。

企業側で出退勤の時間の規定が出来ないので、「どの従業員が法定休日深夜に労働してしまっているか?」などの把握も難しくなるんです。

たまに「裁量労働制では残業代の支給は不要」と誤解しているケースがありますが、裁量労働制であっても割増賃金の支払いは必要

法定労働時間を超えた、勤務に関しては残業代を支払う必要があり、それが法定休日や深夜勤務であった場合残業手当が膨大になるケースもあります。

また、企業側は労働者に対し健康及び福祉を確保するための措置」「苦情処理に関する措置を行わければならないととも定められています。

参照:厚生労働省

これは「裁量労働制だから労働者の健康状態は把握していない」とならにための措置であり、「指揮監督していないから従業員の不満は把握していない」とならないための措置でもあるんです。

ですので、裁量労働制であっても間接的に労働者の労務管理をしなければならい手間も生じることもデメリットとなります。

労働者側のデメリット

裁量労働制のデメリットは労働者の方が企業側より感じやすいと言われています。

デメリットは長時間労働や残業の状態化。

仮に労使協定でのみなし労働時間を8時間と定めた場合、10時間以上勤務しても残業代を支給しない悪質な企業も出てきます。

この状態を「定額働かせ放題」と揶揄されており、過労死を誘引するのでは?という指摘もあります。

具体的な労働者側のデメリットを見ていきましょう。

①長時間労働や残業の状態化

裁量労働制の導入により懸念される長時間労働の弊害として、労働者の身体的・精神的健康が失われる可能性があるんです。

厚生労働省では月間80時間を超える時間外労働がを過労死ラインと定めており、心筋梗塞脳梗塞などの健康被害の可能性があるとされています。

裁量労働制は勤務時間も業務負荷もすべて労働者任せ。

業務遂行のプレッシャーに晒されるうちに過労死ラインを超えた時間外労働をせざるえない状況に追い込まれることも考えられます。

さらに、日本的な労働慣習としても、自分だけ午前中だけで帰えるといったことがしづらい風習がありますよね。

結果ダラダラと会社に居残ってしまい総労働時間だけが増えていくという懸念もあります。

②みなし労働時間と実労働時間の乖離

裁量労働制を導入することにより、実際の労働時間と事前に設定された「みなし労働時間」との間に大きな乖離が生まれることもあります。

悪質な企業の場合、実際の労働時間よりも「みなし労働時間」を予め短めに設定し、給与を低く抑えようとする可能性もないとはいえません。

この問題は、「裁量労働制のデータ捏造問題」として国会でも話題になっていましたね。

以下で更に詳細を説明していきますね。

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裁量労働制の何が問題?国会で議論になっているデータ不適切使用問題とは?

裁量労働制によるデータ不適切問題

裁量労働制の解釈拡大に反対するデモ

などなど、裁量労働制を様々な問題が発生しています。

問題になっているのはどういったことなのかを説明していきますね。

問題点:裁量労働制の対象業務を営業職に拡大しようとしている

そもそも国会で問題になっている「裁量労働制」の問題点は何なのか?

それは、裁量労働制の対象業務を営業職に広げるための法改正成立させようとしていたものです。

現在規定されている裁量労働制は「企画業務型」「専門業務型」の2つ。

そのうちの企画業務型の適用範囲を拡大させて、「提案型の法人営業職」も裁量労働制の適用範囲にしようとしています。

ですが、企画業務型の裁量労働制の適用対象は、かなり限定的。

企業の中枢部門において、経営の根幹に関する重要な企画立案に携わっていることに限定されています。

にも関わらず、一般社員の法人営業職まで認めてしまうと「長時間労働を助長するのではないか?」と問題視されていんですね。

仮に裁量労働制が法人営業職全般までに適用されてしまと、既製品を販売する単純営業まで含まれるので、ほぼ全ての法人営業職が適用されてしまう可能性があります。

例えば、

銀行員の営業
証券営業
人材紹介営業
広告代理店の営業

などありとあらゆる営業職が対象となる可能性があります。

裁量労働制の適用拡大は「提案型の法人営業」だったものが、明確な線引ができずに企業側によって拡大解釈されてしまう恐れがあるということです。

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強引に裁量労働制の対象拡大を行おうとする理由

何故、強引とも思える裁量労働制の対象領域の拡大を行おうとするのか?

安倍首相が掲げたアベノミクスの成長戦略の1つである「労働市場改革」が背景にあります。

下記は政府発表による、「やわらか成長戦略」の抜粋です。

首相官邸によるやわらか成長戦略

参照:やわらか成長戦略〈首相官邸〉

この労働市場改革を行うとしたのも、経済財界からの強い要望があるのでは?とも言われています。

実際、2013年6月14日「企画業務型裁量労働制やフレックスタイム制等労働時間法制の見直し」ということが閣議決定されています。

つまり2013年から経済財界からの要望に応える形で裁量労働制の対象拡大に動いていたということになりますね。

裁量労働制に関するデータの不適切使用問題

国会で問題になっていた裁量労働制のデータの不適切使用のことの発端は2018年1月29日の安倍首相の答弁です。

安倍首相「厚生労働省の調査によれば、裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均な、平均的な方で比べれば、一般労働者よりも短いというデータもあるということは、御紹介させていただきたいと思います」

※後に安倍総理自身が撤回し謝罪しています。下記がその動画です。

裁量労働制を導入するが必ずしも長時間労働に繋がるわけでもないというデータを示した形になりました。

ですが「本当にこのデータ本当なの!?」と野党からの追求がはじまり、2018年1月31日加藤厚生労働大臣がデータのソース「2013年度労働時間等総合実態調査」だったと明らかにしました。

データのソースを明かしたことで、データの不適切使用が明らかになったのです。

データ結果の問題点としては、法政大学の上西教授によると下記の5点をあげています。

データ不適切使用の問題点
①厚生労働省の調査結果ではなかった

②「平均的な者」の定義を説明せずに、あたかも平均値であるかのように答弁した

③一般労働者(「平均的な者」)の労働時間は、実労働時間ではなく、不適切な計算式による加工データだった

④一般労働者(「平均的な者」)の1日の法定時間外労働は、「最長」の日のデータだった

⑤企画業務型裁量労働制の労働者の時間数は「労働時間の状況」であり、比較できないものだった

詳細に関しては、予算委員会公聴会の意見陳述は下記の動画をチェックしてみてください。

そもそも、労働政策研究・研修機構の2013年調査では、裁量労働制の方が一般労働者よりも平均労働時間が長いという調査結果もあります。

これは野党も国会で提示していたデータですね。

1ヶ月の総労働時間の比較

・専門業務型裁量労働制→203.8時間
・企画業務型裁量労働制→194.4時間
・通常の労働時間制→186.7時間

国会での一連の問題は先ほどから記載している上にし教授の記事がわかりやすくまとまっています。

参考裁量労働制、政府の答弁を検証する – 上西充子〈BLOGOS〉

ニュースでも分かりやすくまとめられていたので動画を紹介しておきますね

裁量労働制の国会での問題をまとめると・・

国会での裁量労働制に関する問題点を最後にまとめますね。

与党自民党は、「裁量労働制の営業職への拡大」の法案を成立させるために「裁量労働制の方が労働時間が短い」というデータを不適切に使用していたのでは?

と野党から指摘されていることが問題となっているんです。

個人的には、職種によっては積極的に裁量労働制は導入されても良いと思います。

クリエイティブな仕事にはフレキシブルな労働形態が必要だと感じています。

ただ、一方で「長時間労働の抑制」「従業員の健康確保」は重要な問題であり、企業が裁量労働制を悪用しないような仕組みづくりは絶対に必要。

ただでさえ、日本は諸外国と比較しても1人あたりの名目GDPは世界20位。

世界の1人あたりの名目GDPのランキング

参照:世界の一人当たりの名目GDP(USドル)ランキング

1人あたりの生産性が異常に低すぎるんです。

なので、増やすべきは「労働時間」でも「残業時間」でもなく生産性です。

生産性を上げるための、裁量労働制の導入の可否を議論するのなら理解できます。

ですが、逆に「定額働かせ放題」という言葉もあるように長時間労働残業時間を増やし残業代抑制が目的なら最悪です。

データ不適切問題もあり裁量労働制の営業職への範囲拡大の成立は棚上げになりましたが、今後の正しい議論が進むことを期待したいと思います。

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